人から人へ、親から子へと長い間語り伝えられてきた伝説、それは生の郷土の歴史であり、かけがえのない文化遺産といっても過信ではありません。
伝説には多少の脚色があっても、郷土に根ざした先人たちのすばらしい英知や心情には現代に生きる私たちの心をとらえてやまない、不思議な力が秘められているように思われます。
塚崎には、むかしから、納豆をつくらない習わしがある。舟戦があったとき、塩納豆を食べたためにのどがかわいて、小山方は負けてしまった。その敗戦をいまいましく思って、人々は納豆をつくらないことにしたのだそうだが、その誓いはいまだに守られている。