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小山の伝説

小山の伝説・小山百景は、小山市教育委員会文化振興課・小山の昔の写真は、栃木県メディアボランティアに帰属します。無断転載、再配信等は行わないで下さい。

人から人へ、親から子へと長い間語り伝えられてきた伝説、それは生の郷土の歴史であり、かけがえのない文化遺産といっても過信ではありません。
伝説には多少の脚色があっても、郷土に根ざした先人たちのすばらしい英知や心情には現代に生きる私たちの心をとらえてやまない、不思議な力が秘められているように思われます。

小山の伝説

お知らせ新鸞清水(小山

 むかし、親鸞上人が諸国を巡錫されたとき、小判田のあたりを通りかかった。その時分には、このへんには人家がなかった。夏の暑い日で、何キロも歩いてきた上人はのどが渇いてたまらなかったが、水を求めるすべがなかった。上人は立ち止まって道のほとりの草むらに錫杖を突き差し、杖にもたれて休もうとした。すると、ふしぎにも、錫杖の根元から清らかな水がこんこんと湧き出した。上人は、両手をきよめ、口をすすぎ、思うさま渇きを癒して立ち去った。里の人たちは「親鸞清水」と名づけて、いつもこのあたりを清潔に保ち、旅行く人々の憩いの場にした、ということである。